こんにちは!北九州モデルハウスのスタッフよりお届けします!
これまでのシリーズでは
- パッシブデザインの基本
- 日射のコントロール
- 風を活かす通風設計
と進めてきました。
最終回は、家づくりの根っこ― 断熱のお話です。
1. 断熱が要(かなめ)になる理由
- エアコンを“最後の仕上げ”にできる
- 室温がゆっくり変わるので、体にも家にもやさしい
- 結露やカビを防ぎ、家の寿命を守る
断熱は目に見えない分、つい後回しにされがちですが、快適さ・光熱費・耐久性を一気に底上げできる唯一の要素です。
2. 北九州の冬は「案外冷える」
・朝晩は 0 ℃近くまで下がる日も
・海風が強い日は体感温度がさらに低く感じる
・筑豊側は放射冷却で底冷えすることも
「九州だから暖かいはず」 というイメージで断熱を薄くすると、冬になって後悔する方が少なくありません。
3. 断熱で押さえたい3つのポイント
① 外壁と床下を切れ目なく包む
- 床下の冷気をシャットアウトすると、足元のヒヤッと感が激減。
- 壁は吹付ウレタンや高性能グラスウールなど、隙間ができにくい材料を使うことが肝心です。
② 小屋裏で熱を止める
- 私たちは“天井裏で熱を遮るタイプ”を採用。
- 屋根断熱よりも施工しやすく、コストとのバランスを取りやすいのが特徴。
- 断熱材を厚く・均一に入れる+屋根通気層を確保することで、夏の小屋裏温度を大きく下げられます。
③ 窓・玄関は家の弱点になりやすい
- 樹脂サッシ+Low‑E複層ガラスを基本に、場所に応じて内窓(二重窓)や玄関ドアの断熱グレードを上げるなど、 “点”での強化も忘れずに。
4. 数字でイメージするメリット
- UA値0.6 W/㎡K程度の家にすると
- 冬の暖房エネルギーをおよそ 25〜30%削減
- 夏のエアコン設定温度+1 ℃でも体感はほぼ同じ
(当社シミュレーション比)
数字は小難しく感じますが、「部屋ごとの温度差がゆるやかになる」と捉えると分かりやすいかもしれません。
5. 日射・通風との合わせ技で“ほどよい家”
- 冬:南面から日射取得 → 断熱で包む → 朝一のエアコン少しでポカポカ
- 夏昼:庇と外付けシェードで直射カット → 断熱でじわりと熱を抑える
- 夏夜:外気が下がったら窓を開けて通風モードへ
「断熱だけ最強」ではなく、断熱+操作しやすい仕組みを整えるのが、夏も暑い北九州にあったバランスです。
6. まとめ
- 北九州の注文住宅は“冬の冷え”と“夏の湿気”に備えた断熱が鍵
- 日射や通風と組み合わせてこそ、機械に頼りすぎない快適な暮らしが実現
「うちの土地に合った断熱を知りたい」
そんな疑問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
斉藤工務店は北九州の気候と暮らし方に寄り添ったご提案を大切にしています。
これで全4回のパッシブデザインシリーズは完結です。
パッシブデザインに興味がある方は、どうぞお気軽にご相談ください!